約 992,275 件
https://w.atwiki.jp/bizarre/pages/20.html
「さて……どうしたものか……」 虹村形兆は自分の「ランダム支給品」に「乗り込みながら」、口の中で呟いた。 「荒木」とやらの能力で飛ばされた彼の目の前にあったのは、セダンタイプの、ごくごく普通の乗用車。 デイパックの中にあったキーを挿せば、しっかり噛み合う。戸が開く。 支給品と共に入っていたメモに書かれていた一言、「真の支給品はお前のすぐ傍にある」、の通りだ。 直接戦闘に役立つものではないが、形兆はこの支給品に満足する。 クラッチのないオートマ車。免許などの問題はともかく、一応動かすことはできそうだ。 未知のスタンドが相手でも、自動車の速度とパワーがあればある程度は優位が得られる。 そして何より、移動がラクになる。移動中の隙も減らせる。 「ここが杜王町だと言うのなら……気になるのは、おやじのことだな」 現在地は杜王町の駅前商店街の一角。見覚えのある道である。 ここが杜王町だというなら、住宅街にある『あの家』には彼らの『父親』がいるはずだ。 いや、この無人の街の様子では居ないのかもしれないが、それでも一度は、確認せねばなるまい。 そしてもし、あの家に『父親』が居るのなら。 「おやじを殺せるスタンド使いが、いるかもしれねぇ。あの教会に居た顔ぶれの中に、いるかもしれねぇ。 いや、あの中に居なくても……あの『荒木』とかいう主催者ならば、おやじを殺せる可能性があるッ! なんとかして、その『能力』を利用できればッ!」 ともかく、一旦自分たちの家に帰る。そして『父親』が居るかどうか確認する。すべてはそれからだ。 『父親』が居れば、他の参加者に殺させる算段を考える。あるいは『荒木』に殺させる計画を考える。 居なければ――それはその時に考えよう。 ……他の参加者といえば、教会で見かけた顔ぶれの中に、気になる人物が2人。 「億泰の奴も、参加者の1人のようだな。またどこかでバカをやってなければいいんだが。 奴も探したいところだが、弟も一度は家に戻ってくるだろう。 つまり、家に帰れば一石二鳥というわけだなァ~っ。 あと気になるのは、東方仗助の出方だが……まあ、今は保留か」 弟の億泰は、まず自分の敵になることは無いだろう。今後どうするにせよ、合流しておいて損はない。 ただ探すにしても居場所の手がかりすらない。同じ群体型でも、『ハーヴェスト』と違って捜査には向かない。 億泰に遭遇するためにも、一旦は兄弟たちの原点であるあの家に戻るべきだろう。 一方、先日彼が『弓と矢』を使って『作った』スタンド使い、アンジェロを倒したという東方仗助。 形兆にとっては厄介な存在であり、このバトルロワイヤルの中で始末できれば丁度いいのだが…… ただこれは、あまり優先順位の高い問題ではない。後回しにしてもいい。 形兆は深夜の街中から自分たちの家に移動しようと、エンジンをかけ、車のライトを点けて―― そして、彼は見た。乗用車のライトが照らす闇の向こうに、それを見た。 道の彼方から走ってくる、得体の知れぬ巨大な物体を。 地響きを立てて迫ってくる、1999年の日本の風景には馴染まぬ『その乗り物』を。 「あれは……『スタンド』、なのかッ!? いや、実体があるっ!?」 * * * 「UROWOOOO! 全て蹴散らしてくれるわッ!」 タルカスは自分の「ランダム支給品」を「乗りこなし」ながら、そのパワーに大いに満足していた。 支給品の代わりに、デイパックの中にあった一枚のメモ。「真の支給品はすぐにお前の所にやってくる」。 その言葉の通り、自分で走ってやってきた「それ」を、タルカスは豪腕でもってねじ伏せ、乗りこなしていた。 技のブラフォードに対しての、力のタルカス。『77の輝輪』の試練を腕力だけで乗り越えた猛者。 純粋な腕力だけなら、全参加者の中でも相当高い部類に入る。 「ふふふ、なんとも古風な『乗り物』だが、こいつらならばッ! 我が力、最大に発揮できるッ!」 それは、そう、16世紀に生きた歴史上の人物・タルカスから見ても、古い時代の戦争の道具。 それが20世紀末の日本の商店街を疾走するのだから異様極まりない。地鳴りのような音が深夜の街に響く。 やがてタルカスはその進路上に2つの眩い光点を見つける。 タルカスにとっては未来の乗り物。乗用車が放つライトの光。 その中に乗っているのは、間違いない。あの首輪のデザインからして、参加者の1人……! 「UOHHHH! 丁度いい、その貧弱な鉄の塊ごと、踏み潰してくれるぅっ!」 タルカスは破壊の衝動に駆られて叫ぶ。手綱を使って鞭を入れる。さらに加速するっ……! * * * 「……流石に『アレ』と正面からぶつかるのは良策ではないッ! 戦略的撤退ッ!」 形兆は素早くバックギアに入れ、急いで方向転換すると……迫ってきた「それ」に背中を向け、逃げ出した。 アクセルを踏む。車が加速する。完全に追いつかれる前に、なんとか時速60キロに到達する。 しかし「それ」を全然振り切れない。数メートルの間を置いてぴったり車の後ろにくっついてくる。 形兆はバックミラーの中の「それ」を改めて観察する。冷静な形兆の額に、僅かに冷や汗が浮かぶ。 「それ」の先頭で頭を振っているのは、巨大な馬だ。恐竜にも見間違うような異様な馬だ。それが並んで2頭。 どういう仕組みになのか、その頭部には針のようなものが何本も突き立ち、しかしそれでも馬は生きている。 生きているどころか並大抵の馬より強靭なパワーを発揮して、その後の戦車を引っ張っている。 立ち乗りを前提とした古代の二輪馬車の上に立っているのは、こちらも時代錯誤な鎧の騎士。 しかもデカい。やたらとデカい。 そしてあの体格と顔には、見覚えがある。教会に集められた参加者の中でも特に目立っていた1人だ。 そう、屍死人・タルカスに支給された『武器』は、なんと吸血馬2頭に引かれた古代の戦車。 あのまま真正面からぶつかっていたら、形兆の車はその蹄と車輪に踏み砕かれ、即死していただろう。 尻尾を巻いて逃げるのは形兆の流儀ではないが、他に選択肢がなかったのは事実。 タルカスの戦車に追われ、車が走っていくのは駅の方向。形兆の目的地・虹村家の方角とは正反対だ。 バックミラーの中につかず離れず戦車が居るのを確認して、しかし彼はニヤリと笑う。 「だが、このまま逃げるだけってのは我慢できねーぜぇぇ! オレは几帳面なんだ。予定を乱されると気分が悪くなるんだ。 この化け物に我が『中隊』の力、思い知らせてやるぞぉ~~! 歩兵隊ィ~~! 配置につけッ!」 * * * 「URRRRYYYY! 逃がすとでも思ったかぁぁあ!」 タルカスは叫ぶ。叫びながら吸血馬たちに鞭を入れる。 路上に放置されていた車を踏み潰し、街灯を薙ぎ倒しながら形兆の車を追う。 逃げる獲物を気分良く追い回しながら――しかしタルカスは内心、首を捻っていた。 武器が無い。剣でもあれば、戦車を逃げる車の隣に寄せて斬り付けるところだが、しかし今は武器がない。 鎖の1本、丸太の1本でいいのだ。何か武器さえあれば、逃げる奴に一撃を喰らわせてやれるのに。 手綱を握りながら、考えを巡らしていたタルカスは……そして、車の上に、不思議なモノを見る。 「URY?」 僅かに隙間の開いた窓から、乗用車の屋根の上に登ってきたモノたち。 それはタルカスの指先ほどしかない、小さな小さな、小人たち。およそ20体ほども居るだろうか。 彼らは時速60キロで疾走する車の屋根の上、一糸乱れぬ匍匐前進で這い進んで…… そのまま、伏せたまま綺麗な幾何学模様の隊列を作ると、揃って小さな武器を構える。 タルカスがおや、と思った時には、既に遅かった。 ビスビスビスビスッ! 形兆の持つ群体型のスタンド、『極悪中隊(バッド・カンパニー)』。揃ってその小さな銃を放つ。 正確な射撃がタルカスの顔面を穿ち、針で刺したような穴が無数に開く。 タルカスだけではない、吸血馬にもその攻撃は容赦なく浴びせられて…… 「な……なんだぁっ!?」 痛みよりも何よりも、まずタルカスは驚きの声を上げる。 これは……この小人たちは、『敵』だ! この小人たちこそが、この車に乗っている男の『能力』であり、『武器』なのだ! 武器が必要だ。この敵に攻撃するための武器が。反撃のための武器が――! * * * 「な……なにぃ~~!?」 歩兵の一斉射撃が、タルカスとその馬たちを捕らえたその時。虹村形兆もまた、驚きの声を上げていた。 限界に近い速度を出している戦車と馬。ちょっとでもバランスを崩せば致命傷ともなる危険な乗り物。 バッド・カンパニーの歩兵が撃つM16は決して威力の高い武器ではないが、しかし、当たればかなり痛い。 痛みのあまりうっかり乗り手が転落したり、牽いている馬が暴れだしたりする展開を期待していたのだが。 左頬に無数の穴を開けられてなお、しかしタルカスは全くダメージを感じていない様子で。 馬たちに至っては、撃たれてできた小さな傷が片端から治っていく。 そう……タルカスは既に死せる屍死人。波紋以外の攻撃では、痛みすら感じない。 そして馬たちは、人間の吸血鬼には劣るとはいえ、再生能力を備えた吸血鬼。 彼らの驚異的なタフネスの前には、あまりに貧弱過ぎる攻撃であった。 「し、しかし、我がバッド・カンパニーの兵器はこれだけでは……なぁッ!?」 歩兵だけでは埒が明かない、と見た形兆は、さらなる戦力を投入しようとするが。 それらが配置につくよりも前に、バックミラーの中に映る光景に我が目を疑う。 ただ追いかけるだけで直接の攻撃手段が一切ない、と思われていた巨漢とその戦車。 だが、タルカスはその丸太のように太い腕を大きく構えると…… なんとそのまま、道路脇に立っていた交通標識に、力強いラリアットを喰らわせる。響き渡る轟音。 吸血馬のパワーと速度もあいまって、頑丈な標識は僅かに曲がりながらも地面から引き抜かれる。 タルカスはそして、端に丸い板のついた鉄の棒を、片手で振り上げる。 「WWWWRRRRYYYY!」 タルカスの手にした交通標識が、通りすがりの店の軒先を掠める。『靴のムカデ屋』の看板が吹き飛ぶ。 そして巨漢は大声で吼えながら、その交通標識を振り上げて……! * * * パワーが身上のタルカスと、小さいことが強みのバッド・カンパニー。 両者の戦いの余波は夜の街を破壊しつつ、しかし爆走は止まらないッ……! 【巨象と戦争アリの戦い または はた迷惑なカーチェイスバトル?】 【杜王駅前商店街/1日目 深夜~黎明】 (『靴のムカデ屋』前を通過。今まさに駅の方向に向かって移動中) 【虹村形兆】 [スタンド] バッド・カンパニー [時間軸] 仗助と康一が初めて虹村兄弟と遭遇する直前。そのため父親を殺すことしか考えていない。 [状態] 屍生人のタフネスやパワーにやや混乱中。ただし戦意は十分、ダメージも皆無 [装備] 特になし [道具] 支給品一式、ごく普通の乗用車(AT)(ランダム支給品) [思考・状況] 1)虹村兄弟の家の場所に戻り、父親がいるかどうか確認(今走ってる方向とは逆方向になる) 2)億泰を探す(探してどうするかはまだ決めていない。探すためにも一旦「自分の家」へ) 3)すぐ後ろのタルカスをなんとかする。あわよくば倒す、最低でも追えないようにして逃げ出す。 4)3)のために、歩兵以外の手持ち戦力も繰り出す。 5)優先順位は落ちるが……参加者の中にチラリと見た東方仗助に警戒感。 【タルカス】 [種族] 屍生人(ゾンビ) [時間軸] ジョナサンたちとの戦いの直前。ディオに呼ばれジョナサンたちと初めて対面する前。 [状態] バッドカンパニーの歩兵から銃弾を受けたが、蚊に刺された程度のダメージもない。戦闘の高揚。 [装備] 吸血馬×2頭+チャリオット(ランダム支給品)、へし折った道路標識 [道具] 支給品一式 [思考・状況] 1)殺し合いのゲームに乗る(ただしDIOやブラフォードと遭遇した場合どうするかは、まだ考えてない) 2)1)の延長として、目の前の形兆を倒す 3)まずは、この凶器で殴りつけてやる! いや、投げつけるか?! [備考] この2人の移動しながらの戦いはかなり激しい。 通過する街並みの近く・あるいは進行方向に第三者が居れば気付かれる可能性大。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 虹村形兆 32 『Oh! That s A Car Chase!!』 タルカス 32 『Oh! That s A Car Chase!!』
https://w.atwiki.jp/bizarre/pages/174.html
私達が乗った吸血馬が駅に着いた数分後、東の空からすがすがしい太陽が昇ってきました。 私の指の傷は駅に入る直前にタルカスとワムウに見えない角度でティッシュを使い抑えていたのでもう出血していません。 私は橋の所での二人の会話を思い出しました。太陽を嫌っていた節がある二人にとっては危機一髪だったのではないでしょうか。 私は横目で二人をそっと眺めてみました。 案の定、タルカスは冷や汗をかいていました。彼とは対照的に、ワムウはそれほど慌てた様子は見せませんでした。 先ほどの二人の会話からして彼らは太陽が苦手なはずです。 どれくらい苦手なのかはわかりませんが、二人はわざわざ杜王駅まで避難しに来ました。『相当』苦手……のようです。 ではなぜワムウはあんなに落ち着いていたのでしょう。ますます疑念が深まります。 私がこの謎についての適当な答えを探そうと思考を始めた時、声が聞こえてきました。どこから聞こえてきたか、それはわかりません。 とにかく私の周り全方位から荒木の声が聞こえてきたのです。 荒木の声は、少し前の、この殺し合いが始まる前の杜王町を思い出させるかのような静かで、のんびりとした響きを持っていました。 * * * 「じゃあ、おおむねそうゆうことでよろしくね―――」 放送が終わりました。地球人は野蛮なものです。この六時間でなんと十三人もの参加者が尊い命を散らしてしまいました。 私の知り合いで死んだのは、ジョセフ・ジョースターさんと山岸由花子さんの二人。 私は彼らと特別な親交があったわけではありません。会話をしたことなんてほとんどありません。 私にとって二人は友人と言うよりはむしろ、他人に近かったのではないでしょうか……。 ですが、二人の死という事実は私の心に想像以上の衝撃を与えました。知り合いの死、私は216年間生きてきて何度か体験してきました。 ……しかし、いくら経験してもこの悲しみからは逃れられないようです。 ワムウとタルカスは放送が始まるころにはチャリオットから降りて駅内の探索を始めていました。 放送が始まると二人は動きを止め、周りを見渡し音源を捜し始めました。 しかし、荒木が死者を読み上げ始めると、(おそらく知り合いの名が呼ばれたのでしょう)二人は捜すのを止め放送に耳を傾けていました。 放送が終わり、禁止エリアをメモした後も、彼らのすることは変わりません。ひたすら無言で探索です。 しかし私は見逃しませんでした。 黒騎士ブラフォード、という名が呼ばれた瞬間、タルカスが一瞬、ぴたりと動きを止めた事を。 カーズ、ジョセフ・ジョースターの名が呼ばれた時のワムウのなんとも言えぬ悲哀に満ちた表情を。 私は見逃しませんでした。 ワムウとジョセフさんは親しい仲だったのでしょうか……。橋での出来事からしてワムウは紛れも無い悪です。ゲームに乗っています。 そんな悪と、あの評判いいジョセフさんが親しくなるものでしょうか。むしろジョセフさんはワムウを退治しようするのでは。 ……私はしばらく思考していたのですが、いつまでたっても適当な答えを自分の心の中に作り出す事が出来ません。 まあ仕方の無い事です。もともと無理だったのです。私はジョセフさんやワムウについてあまりにも無知です。 ワムウに関係する疑問はこれで二つ目、別にそれ程大切な疑問というわけではありませんが……機会があれば解明したいですね。 「ワムウ様。放送の事で少し聞きたいことがあるのですが」 タルカスは駅内の探索という機械的な動作を一時中断して、申し訳なさそうに話しました。 タルカスに背を向けていたワムウは無言で振り向きます。 「ワムウ様。お知り合いの名前を呼ばれましたか?」 「……おまえはどうなんだ?」 「黒騎士ブラフォード……わしの戦友です……情けない事に少し心を乱されてしまって」 二人の間に再び沈黙が訪れます。ワムウはタルカスに対して何と答えるのでしょうか。 紛れも無い極悪人の二人ですが彼らは(少なくともタルカスは)知り合いの死について悲しみを感じているようです。 ワムウが話し始めました。 「俺の知り合いも死んだ。しかし気にする事は無い。悲しみなんぞに参っているようでは真の強者にはなれないのだタルカス。 乗り越えるのだ。悲しみを越えてこそ真の強さがある。そもそも死んでいった者達を悲しんではいけないのだ。彼らは何かの死闘のはてに死んだ。 彼らには敬意を払えッ!悲しみを越えるほどの敬意をッ!」 「敬意……悲しみではなく敬意……ですか」 「くだらん話はもう終わりだ。さっさと駅を調べろ。何者かが潜んでいるかもしれん」 ワムウがそう言うとタルカスはすぐに、申し訳ありません、というような事を言い、私が今いるチャリオットの位置からは見えない所へ行ってしまいました。 『悲しみではなく敬意』、私はこの言葉を心の中で数回呟きました。確かにそういう考えもあります。 しかし、私達には決してできない考え方。人間達や私達は親しい人が死んだ時は長い時間ずっと悲しむのが普通です。 というより、悲しむ事しかできないと思います。悲しまずに敬意を払うなんて考え方、生き物をぶっちぎりで超越しているかのような何かを感じます。 ワムウ……彼は超越している。普通ではない。 ふと、チャリオットから駅の様子を眺めてみるとそこにはもう誰もいませんでした。私は周りをゆっくりと警戒しながら見回しました。 誰もいません。ワムウもタルカスもいません。吸血馬さえも今は眠っているようです。 私のちょうど真正面にはさんさんと日の光を受けている駅の出入り口があります。ここからそれ程離れていません。 これは……もしかしてここから逃げ出すチャンスなのでしょうか。ここから全力で走って日光の当たる所へ行きさえすれば良いのです。二人は今いません。 しかし、あまりにもあっさりしています。何ていうのでしょうか……。逆に怪しく感じます。罠ではないのでしょうか。 このまま隠れていればブチャラティさん達が助けに来てくれるかもしれませんし……。 それに日光の下に行ったとしても彼らはまだ追いかけてくるかもしれません。 見つかってしまっては何の言い訳もできません。一瞬で私は八つ裂きにされるでしょう。戦ってもたぶん勝ち目はありません。 それに相手は二人います。どちらかが私を視野の端で捉えさえすれば、私はもう終わりなのです。 なんだか不安要素ばかりあるような気がします。成功する可能性なんてあるのでしょうか。 再び周りを見渡します。さっきよりも注意深く……。 やはり、いません。逃げるチャンスです。駅から出た後は私が残してきた血痕を辿ればたぶんブチャラティさん達と合流できるでしょう。 やはりこのチャンスを活かすべきです。どれだけ可能性が低かろうと……それは決してゼロではない。 私は変身を解き鎖から元の体に戻りました。そしてゆっくりと、猫のようなしなやかで静かな動作で慎重にチャリオットから下ります。 下りた私はひとまずチャリオットの陰に隠れ辺りを見渡します。ここからならチャリオットの上にいた時は見えなかった所も見る事が出来ます。 ……ワムウもタルカスもいない。 大丈夫です。この脱出は成功します。後は素早くあの出口へと走るだけ。 私は覚悟を決め杜王駅の出口へと走り出しました。 私の靴と地面がぶつかる事によって生じる音。私の衣服がこすれる音。その他いろいろな物音。 物音なんて気にしません。ただ私は全力で走ればいいのです。 あと少し、あと少しで、太陽の下へッ! あと少し、あと少しで、逃げられるッ! ブチャラティさん達の所へ行けるッ!後数メート……ッ まずいッ!ヤバイッ!殺されるッ!心臓が破裂するほどの衝撃ッ! 突然、ワムウが現れたのですッ!何も無いところから急に。まるで透明人間が急に姿を現すかのように。 私に背を向けているのでまだ見つかってはいませんが今にもッ! ワムウは何かしらの気配を感じ取ったのでしょう。素早く振り返るッ (やばいィ~どうすればッ!どうすればいいんだあ~~~) 私は急いでもう止血できていた指を再び噛みました。血が一滴だけ出るくらいにできるだけ柔らかく噛みました。 冷たい金属音ッ!ワムウが振り返って見た物。それは私ではありません、地面に落ちる鎖、唯一つッ! * * * ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ワムウは何一つ言葉を発さずに私(今は鎖ですけど)を睨み続ています。 沈黙……。疑わしそうに私を睨む。私の頭は緊張と恐怖でどうかしてしまいそうです。 ワムウは今、こう思っているのでしょう。 なぜここに鎖がある。誰が持ち出したのだ。俺は落ちる瞬間を見た。そこに落ちているの見たのではなく落ちていく瞬間を見たのだ。これはどういうことだ。 怪しい。怪しいぞこの鎖。タルカスには悪いが…… 破壊させてもらおう。 そして今目の前にいるワムウも私の心の中のワムウと同じように、鎖をゆっくりと掴み持ち上げたのです。 (ヒィエエエエエエエッ!まずいッ!破壊されてしまうゥッ!せめて、せめて『アレ』に気づいてくれえッ!) 「タルカスッ!来いッ!」 ワムウはいきなり凄まじい大音量でタルカスを呼びました。あまりに大きな音だったので、私はさらに慌てました。 今、私はあの仗助さんとの協力サイコロの時のように、岸部露伴さんにばれそうになった時のように、冷や汗をかいてしまっているかもしれません。 案の定、鎖は私の汗によってうっすらと濡れていました。 「どうかしましたかッ!ワムウ様ッ!」 「お前、鎖を俺に向かって投げたか?」 タルカスは言っている意味がわからないかのような顔をしています。 「いえ、投げていません。何かあったのですか」 「この鎖がここで、チャリオットからは何メートルもあるこの場所で落ちているのを見た。おまえの仕業ではないとしたら……いったい誰の仕業だ。 何のためにこんなことをしたのだ」 「我々以外の誰かがこの鎖を盗ろうとしたのでは?」 ワムウは鎖を睨みます。今のところはまだ汗には気づかれてはいません。 「たしかにそうかもしれない。それも可能性の一つ。だが俺は鎖が落ちているのを見たのではなく落ちていく瞬間を見たのだ。 つまり、鎖のすぐ近くに落とした者がいたはずなのだ。 鎖を手から離し地面に着くまでの間にその場から素早く離れ俺から見つからないような所に隠れられる身体能力を持った奴はそうはいまい」 「さっきワムウ様が言ったように誰かがチャリオットから鎖を投げたのではないでしょうか?」 「見知らぬ者が近づいてくるのだ。吸血馬が黙っていないだろう」 吸血馬は眠っているはず、と思い私は視野の端に映っている吸血馬を注視しました。 起きています。もしかして眠っている時の方が珍しいのでしょうか。ああ、運がいいのか悪いのか…… 「俺の手下の吸血鬼に手がドアノブそっくりの奴がいた。くだらんことだがそれが奴の能力の一つだ」 「はあ。でもそれがいったい……」 「つまり俺が言いたい事はッ!」 まずい。この流れは非常にやばいです……。このままでは。 「誰かが妙な能力でこの鎖に変身しているッ!」 ああ、気づかれたッ! ワムウが鎖の両端を掴み引きちぎろうと力を込めます。 凄まじいパワー。ああ私はここまでなのでしょうか……。私はただ地球に来ただけなのにこんなわけの分からないゲームに参加させられて……。 こんな所で死ぬのでしょうか。ああ黙ってブチャラティさんを待っていればよかった……。 体が、熱い、千切れる、痛い。しかしッ声を出すわけにはいきませんッ!ぐうううううぁあぁぁああぁあああああッ!痛いッイタイッ! 「この鎖を引きちぎってみればわかる。本物の鎖ならこのままただ千切れるだけだッ!」 駄目だ。もう限界だ……。仗助さん、億康さんどうか生き残ってください。 「待ってくれッ!その鎖は本物です。間違いありません」 タルカスが叫びました。すっと、ワムウの力が緩みます。 「なぜそう言える。根拠はあるのか?」 「わしは長年鎖を愛用の武器として使ってきた。だから分かります。その鎖は本物です。その質感、音。偽者のわけが無いッ!」 「下らん事を……おまえはこの鎖を破壊されたくないからそう言っているだけじゃないのか?」 この問いかけにタルカスは少しの間、黙りました。頑張ってくださいタルカス。私の命はあなたにかかっています。 ああせめてどちらかが『アレ』に気づいてくれれば……。 「確かにそうです。わしは鎖を壊されたくない。だから言っています。しかしその鎖は本物です。 その鎖さえあればわしはもっとワムウ様の役に立つ事が出来るッ!」 「元より貴様なんぞに何の期待もしておらんわ。おまえはただ俺の身の回りの雑事をこなしておれば良い」 そんな……バカな。ひょっとして、タルカスのおかげで助かると思ったのに……。 再び私の体に耐え難い痛みが走ります。ワムウは少しずつ力を強くしていきます。私に変身を解く隙を与えているのでしょう。 早く変身を解かないとどんどん痛くなっていくよ、と私を脅しているのです。 変身を解くわけにはいかない。もしワムウかタルカスが『アレ』に気づいた時私は鎖でなければならないのです。 しかし……もう。 「そんな、ワムウ様。どうか考え直してくださいッ!」 「考え直すことなど何もな……」 急に、急にです。突然、ワムウが力を抜きました。ふっと、力が弱くなったのです。 ワムウは私から目を離し地面を睨んでいます。そうか。ついに、ついに『アレ』を見つけたんだ。 「ワムウ様?どう……したんですか?」 沈黙に耐えかねたタルカスがワムウにそっと問いかけました。 ワムウは鎖を捨て、地面にしゃがみました。何かを凝視しています。 「タルカス見ろ。血痕がある。鎖が落ちていた場所の近くに血痕がある。血はまだ乾ききっていないぞ。ついさっき、という感じだ」 そう、私がワムウに見つかる寸前に残しておいた血痕。 「外を見てみろ。血痕がずっと続いている。この駅に向かって、続いている。いやこの鎖に向けてと考えたほうが正しいか…… つまり……ついさっき、何者かがこの鎖を奪いに来た。我々の目を掻い潜り、盗もうとしたのだ」 「なるほどッ!そしてワムウ様に見つかりかけたから、鎖をおとりに使い急いで隠れた」 「その通りだ。おまえが始めに言っていた通りだったな。 つまり、奴はこの鎖を盗ろうとした泥棒は一瞬で隠れられる身体能力、または特殊能力を持っているという事だな。 しかし、盗人め。どこかを怪我をしているらしいな。怪我した体で来るほどこの鎖が大事なのか、それともただ単にまぬけなだけか」 「ワムウ様、この鎖は……どうなさるのですか?」 タルカスが申し訳なさそうに聞きます。 「俺が引きちぎろうとしてもこの鎖は何の反応も示さなかった。おそらくこれは本物の鎖なのだろう」 「ではそれはわしにくださいますか?」 「しかし、盗人は無理をしてまで、血を流してまでこの鎖を奪いに来ているのだ。この鎖には普通の鎖とは違う何かがあるような気がする。 一応、破壊しておいた方がいいだろう」 「えっ!」 ……しまったアッ!声だしてしまったぁぁッ!もう助かると思って安心してしまったああああああああッ! 沈黙、長い長い沈黙。タルカスがキョロキョロと周りを見ています。幸いな事に、私の出した声はずいぶんと小さかったようです。 彼らは、少なくともタルカスは音源に気づいていない。 「フフフ、マヌケめ。この鎖を破壊されるのがそんなに嫌か。いいだろう。壊さないでおいてやる。いつでも、どのタイミングでもいいぞ。 奪いに来い。返り討ちにしてやろう」 良かった~。ワムウも音源には気づいていないようです。ワムウは鎖をタルカスに投げ歩き始めました。 「タルカス、この鎖を持って盗人が駅の中にいるかどうか徹底的に調べるのだ。盗人がそいつを奪いにくるかもしれん。何者かを見つけたら俺を呼べ。 俺が盗人に死を与えてやろう」 「ワムウ様、鎖をくださるのですか?ワムウ様が持っていた方が……」 歩いていたワムウは歩を止め振り返ります。 「フフフ、確かに鎖を持っていた方が盗人に会えそうだな。だがおまえを試してやる。 鎖を持っているおまえは本当に役に立つかをな。だが注意しろ、その鎖には何かあるような気がする」 そう言うとワムウは駅を徹底的に調べに歩き始めました。 「感謝します。ワムウ様……」 タルカスがそう言うころにはワムウはさらに歩いて行き、私達のいる所からは見えなくなっていました。 はあ。良かった。助かったあ……。私をほっと安堵しました。 しかし安心したのもつかの間、私はタルカスによって彼の顔の辺りにまで持ち上げられました。タルカスが鎖をじっと見ています。 どうしたんでしょう。まさか疑っているのでしょうか。この人は鎖が必要なはずです。まさか、まさかさっきのワムウみたいな事はしないですよね。 長い間、鎖を見ていた彼はそっと呟きました。 「これは盗人の血か?鎖に微かだが血がついている」 なんだ。そんな事ですか。もうその傷は心配ないでしょう。もう出血する事は無いでしょう。ほとんど治癒していま…… べろり (ひっヒェェエエエエェエエエッ!舐められたぁッ!指をッ!私の指をッ!この人、どうして私の指を舐めるんですか~ッ!) べろり (何回舐めるんですかぁッ!) 「全然足りんな。もっと血がほしい」 そう言うとタルカスは鎖を肩にかけ歩き始めました。 鳥肌が立つなんてレベルではありません。恐ろしく気持ち悪かったです。なんとか声を出さずにすみましたが、これからもこんなことがあるのでしょうか。 ああ、ブチャラティさん、形兆さん早く助けてください~~。 【闇の重戦士チーム 宇宙人添え】 【杜王駅 (E-03) 1日目 朝~午前】 【ワムウ】 [モード] 『風』 [時間軸] 首だけになり、ジョセフが腕を振り下ろした瞬間 [状態] 服が少し焦げている [装備] 手榴弾×9 [道具] 支給品一式 [思考・状況] 1) 駅の中を調べて盗人を捜す 2) 鎖(ミキタカ)を少しだけ怪しく思っている 3) 戦いを楽しみつつ、優勝を目指す。ただ深追いはしない。 4) 従者として、しばらくはタルカスを従えておく。 【タルカス】 [種族] 屍生人(ゾンビ) [時間軸] ジョナサンたちとの戦いの直前。ディオに呼ばれジョナサンたちと初めて対面する前。 [状態] 無傷。 [装備] 【ミキタカが化けたフック付きの長い鎖】。 [道具] 支給品一式 [思考・状況] 1)駅の中を調べて盗人を捜す。 2)ワムウへの絶対的な忠誠。 3)ワムウと共に戦う。戦いの愉悦を彼の下で楽しむ。 4)取り逃した虹村形兆、ブチャラティ、ミキタカへの僅かな執着心(ワムウの命に背いてまで追う気はないが) 【ヌ・ミキタカゾ・ンシ】 [スタンド?] 『アース・ウィンド・アンド・ファイアー』 [時間軸] 鋼田一戦後 [状態]:【フック付きの長い鎖】に化けた状態。タルカスに片手で握られ、肩に掛けられている。千切られそうになったので体全体が痛い [装備]:なし [道具]:ポケットティッシュ (支給品一式はブチャラティが持っています) [思考]: 1) タルカスたちには絶対に気付かれたくない。そのため、当面はただの鎖のフリを続ける。 2) タルカスたちに気付かれないうちにこっそり逃げ出したい。 3) 脱出後、ブチャラティたちとの合流を図る 4) 味方を集めて多くの人を救いたい。 [備考]:ミキタカは形兆のことを「ゾンビのようなもの」だと思っています。 [備考]:タルカスもワムウも、タルカスが手にしている鎖がミキタカであることにまだ気付いていません。しかしワムウは怪しいと感じています。 [備考]:ミキタカは自ら道路に血を垂らし、ブチャラティたちが追う手がかりを残しています。 彼らが通った道には、点々と血の跡が続いています。ワムウ達はもう気づいています。 [備考]:ワムウとタルカスは鎖を盗もうとしている参加者が近くにいると勘違いしています。そして駅につづいている血痕もその参加者のものだと思い込んで います。 [備考]:ミキタカの冷や汗は結局気づかれませんでした。 [備考]:吸血馬1頭+チャリオットは駅の中に置いています。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 49 承太郎と哀れな下僕 ワムウ 70 Excuse Me!考え中 49 承太郎と哀れな下僕 タルカス 70 Excuse Me!考え中 49 承太郎と哀れな下僕 ヌ・ミキタカゾ・ンシ 70 Excuse Me!考え中
https://w.atwiki.jp/vipbunko100/pages/23.html
王道・一般 該当作品なし VIP 涼宮ハルヒ(シリーズ/谷川流/ラノベ) キノの旅(時雨沢恵一/ラノベ) ブギーポップは笑わない(上遠野浩平/ラノベ) イリヤの空、UFOの夏(シリーズ/秋山瑞人/ラノベ) 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない(桜庭一樹/ラノベ)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/11497.html
登録日:2010/11/14(日) 11 24 00 更新日:2022/04/29 Fri 21 43 23 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 お父さん何やってんすか どんでん返し ロン毛 入間人間 和服 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 変人 安達としまむら 小説家 岐阜県 速筆家 電撃速筆四天王 電波女と青春男 入間人間(いるま ひとま、男性、1986年 - )は、日本の小説家(ライトノベル作家)。岐阜県出身。 人物 第13回電撃小説大賞にて「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(応募時タイトル「幸せの背景は不幸」)」が最終選考に。 受賞こそしなかったものの、審査員たちの間で物議をかもした問題作として注目され、同作品の出版に至り、デビューを果たす。 独特の文章と作風で、電撃文庫内でも独自の地位を築きつつある新鋭作家。 影響を受けた作家として西尾維新、乙一、米澤穂信を挙げているほか、 自身の作品同士の世界観リンクの手法に関しては上遠野浩平と伊坂幸太郎の影響である事を明かしている。 ゲーム、小説、漫画といった他メディア作品からの引用、パロディを含んだ軽妙な表現を特徴としている。作中では奇異な価値観を持った登場人物が多出する。 また、かなりの速筆。 2009/9より、2010/9まで毎月1冊執筆しており(2010/10以降も継続する模様)、公式でも「月刊入間人間」と呼ばれている。 かなりの変わり者らしく、まず見た目が着流しに下駄を履き巾着を持ち歩いているロン毛。 しかも雨の日は番傘を差す。どこで買うんですか…。 その時代錯誤も甚だしい格好のせいで芸人に間違われたこともあるとか。 ラジオに出演することになった時は「こいつをラジオに出して大丈夫なのか?」と周りに心配された。 実際に出演した時はいきなり椅子でぐるぐる回ったりしてパーソナリティを困らせていた。 実は電撃小説大賞に応募するまでラノベをほとんど読んだことが無かった。 なのになぜ電撃に応募したのかというと、大学の図書館にあった狼と香辛料をたまたま手に取ったら巻末に応募要項があり、それを見てここにしようと思ったから。 両親も共に特徴的な人物らしく、特に入間氏を語る上で欠かせないのが、彼のお父さんである。 よくあとがきにエピソードが出るのにとどまらず、アニメ「電波女と青春男」にモブで出演。ノリノリで演技をしていたとの事。 また、実写版みーまーにも出演した。 他にも作者の著者近影のイラストを書いたり、息子に謝辞を寄せたり、精力的に活動している。 ていうか出過ぎ。 お父さん何やってんすか。 作品リスト 【電撃文庫】 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん (2007年6月 - 2011年1月、全10巻,i イラスト:左) 電波女と青春男 (2009年1月 - 2011年4月、全8巻 イラスト:ブリキ) 魔界探偵冥王星O ウォーキングのW (2010年5月、越前魔太郎名義 イラスト:ブリキ) 多摩湖さんと黄鶏くん (2010年7月 イラスト:左) トカゲの王 (2011年7月 - 既刊5巻 イラスト:ブリキ) クロクロクロック1/6 (2012年8月 - 既刊2巻 イラスト:深崎暮人) 安達としまむら (2013年3月 - 既刊4巻 イラスト:のん) 強くないままニューゲーム (2013年5月 - 既刊2巻 イラスト:植田亮) ふわふわさんがふる (2014年4月 - 既刊1巻 イラスト:loundraw) 虹色エイリアン (2014年11月 - 既刊1巻 イラスト:左) おともだちロボ チョコ (2015年4月 - 既刊1巻 イラスト:loundraw) 【電撃の単行本】 僕の小規模な奇跡 (2009年10月) ぼっちーズ (2010年11月 イラスト:宇木敦哉) 【メディアワークス文庫】 探偵・花咲太郎は閃かない (2009年12月) 探偵・花咲太郎は覆さない (2010年2月) 六百六十円の事情 (2010年5月 イラスト:宇木敦哉) バカが全裸でやってくる (2010年8月- 既刊2巻) 僕の小規模な奇跡 (2009年10月 イラスト:宇木敦哉) 昨日は彼女も恋してた (2011年11月 イラスト:左) 明日も彼女は恋をする (2011年12月 イラスト:左) 時間の落としもの(2012年1月 イラスト:庭) 彼女を好きになる12の方法(2012年8月 イラスト:宇木敦哉) たったひとつの、ねがい(2012年11月 イラスト:のん) 瞳のさがしもの(2013年9月 イラスト:庭) 僕の小規模な自殺(2013年12月 イラスト:loundraw) エウロパの底から(2014年3月 イラスト:loundraw) 砂漠のボーイズライフ(2014年7月 イラスト:Izumi) 神のゴミ箱(2015年2月 イラスト:植田亮) ぼっちーズ (2015年4月 イラスト:宇木敦哉) 【メディアミックス作品】 アラタなるセカイ(2012年10月)(小説、漫画原作、アニメ脚本、主題歌作詞担当) △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 本人と父親が漫画みたいな人だな。 -- 名無しさん (2014-09-17 20 36 47) 所謂西尾チルドレンだけど本人が西尾作品みたいなキャラしてる -- 名無しさん (2016-01-10 00 15 23) 月刊仲間に鎌池和馬がいる -- 名無しさん (2016-01-11 12 07 11) 待望の大どんでん返しばっかする人としか頭にないんだけど? -- 名無しさん (2016-06-30 16 30 08) こういう自分貫いてるというか、周りに同調しないスタイル好きだし憧れる -- 名無しさん (2017-05-05 16 55 35) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/guyverlabo/pages/43.html
バルカスは、クロノスの中でも特に最重鎮であり、アルカンフェル後、今から400年ほど前にゾアロードとなった初めての人物でもある。翁、ハミルカル、ドクターなど呼称は様々である。 フルネームはハミルカル・バルカス。アルカンフェルからはハミルカルと呼ばれることもある。歴史上の人物でハミルカル・バルカと呼ばれる人物がいるが、バルカスとの関係は年代的にも関係ないと思われる。 かつてはダーウィンのように航海先で様々な見聞を行い、それを情報源に思索する一研究者だった。 あるとき、シラー島近くで船が難破し、偶然にもバルカスだけが生き残り、シラー島と呼ばれる島に到着した。航海で様々な生態系を見てきたバルカスではあったが、シラー島はそれらとは異質であり、物語でしか聞いたことがない生物の数々に出会うことでただただ恐れおののいた。 しかし、運良くそれら不可思議生物に危害を加えられることもなく、ある建造物にてアルカンフェルと出会うことになる。 バルカスの調製をしたのはアルカンフェルか バルカスは、アルカンフェルの次に調製されたゾアロード(アルカンフェルのような正規のゾアロードからすれば亜と付けたくなるほどの劣化ゾアロードではあるが)である。考えてみたら、調製というものは相当すぐれた自動化システムがなければ自分に施すことはできないため、どうしても他者の介在が必要となる。バルカス以外の知恵者アルカンフェル以外シラー島にいたとは思えず、おおよそバルカスを調製したのはアルカンフェルの可能性が高い。シラー島には、他にも調製体がいるが、どれもゾアロードの核となる情報を知り得た者はいなかったと思われる。シラー島には、制御球のような叡智の厳選がなかったからである。 アルカンフェルが地上に散っている遺跡を探したのはバルカスの調製後だから、その前に何らかの形でバルカスにゾアロードの秘密を伝授し、制御球によってそれをさらに磨く必要があった。 ただ、バルカスが本当に調製されたゾアロードかは実のところよくわかっていない。シラー島には、遺跡によって残された生命維持槽(バイタル・ポッド)のようなものがあるだけで、これで調製が可能だったかはわからない。降臨者が調製実験を行う場合、制御球との通信により調製プログラムを構築し、それによって調製を行うことは可能だったが、シラー島に残された遺跡は制御球を失っており、そういったことができる状況にはなかったと思われる。 つまり、バルカスはワフェルダノスと同様に、ただクリスタルを与えられただけなのかもしれない。バルカスの力がどのようなものかはわからないが、ギガンティックダークとの戦いで危うく死にかけたときでも、結局その力を見せることはなかった。これは、出し惜しみしているだけではなく、下手をしたら獣神変は一回限りのかつ強力なものではないかとも予想されるが、こればかりは実際にバルカスの力を見ないとよくわからないところでもある。 どういう場合でも、バルカスがゾアロードになるには、まずアルカンフェルのクリスタルを分割培養する必要があるが、その分割にも相応の技術が必要であり、そのあたりはアルカンフェルが熟知してバルカスに伝授し、分割培養を行ったと思われる。ただ、分割培養(14巻)では、作りはそれほど複雑ではないが近代的な培養容器が描写されていた。400年前にそれが作れるような設備や技術がシラー島にもあったようである。 もし獣神変するなら、何らかの方法で調製を受けた結果とも取れるし、それを施したのはやはりアルカンフェルということになる。 バルカスのゾアロード適正 ゾアロードは、その選出に時間がかかるほどその適正者を探すのは難しい。それに比べ、バルカスは偶然島に着いただけであるだけの一市民に過ぎない。しかし、その後のバルカスの能力を見ると、むしろ他のゾアロードより上の力(透視や思念波強度など)を発揮する場面も少なくない。バルカスはたまたまゾアロード適正が高かったということなのだろうか? かつてバルカスの身に起こったことを思い起こすと、偶然シラー島に着いて、船員はバルカスだけしか生き残っていなかった状況だった。この生き残ったことが偶然でないとしたら、フィールドに入れる人間を選別していたことにもなるが、その確証は全くない。 異なる点があるとしたら、どのような調製過程であったかであり、例えばアルカンフェルに調製されているとしたら、それだけで特殊な条件となり、普通のゾアロード調製より能力が底上げされた可能性もあるが、未調製のままクリスタルだけが与えられただけかもしれない。 バルカスの能力 バルカスはこれまでかなり窮地、というよりほとんど死んだも同然の状態でも、なぜか獣神変を行わない不思議さがある。そこまで出し惜しみする理由はワフェルダノスあたりは知っていたようであるが、そのあたりは未だ明らかになっていない。 もしかしたら一回限りの超強力な獣神変タイプという位置づけかもしれないが、そうだとしたら変身を複数回行えるプロトタイプにも劣ることになる。これは、先のバルカスのゾアロード適正値は実際の所それほどでもなく、獣神変に耐えられない可能性がある。 獣神変をせずとも、透視能力に長けていたり、思念波強度がそれなりに強かったりと、ゾアロードの質としてはそれなりに高くなっている。また、400生きたことでその知識の蓄積は通常ではありえないほど高まっており、バルカス自身が戦うよりもそちらの方がクロノスにとっては重要となっている。また、一介の調製技術者では触れることが不可能な制御球から直接知識を得ている点でも、技術者としては抜きんでた存在である。 上に戻る
https://w.atwiki.jp/jojobr3rd/pages/383.html
影が二つあった。一つはとても巨大な壁で、どんな大男が並んでも小さく見える程だったが、その頭は下を俯いていた。彼の名はタルカス。歴戦の勇士だ。 もう一つはとても小さな影で、遠くから見渡すと見えなくなる程小さいが、大男とは対照的に不適な眼差しは前を見続けている。彼(犬)の名はイギー、自由気ままに生きる砂の愚者だ。 あらゆる意味で対照的で、とてつもなくアンバランスな組み合わせに見える二人は、ひたすら歩き続けていた。同時刻に行われている幾つかの激しい闘争に遭遇する事もなく、またそれを避けるかの様に、当てのない足は北へと進んでいた。 その理由は、タルカスが大事そうに抱えているもの。ほんの少し前までは生命の音を振動させ続けていた亡骸に答えがあった。 「人のこないところに埋葬をしたい……戦いに巻き込まれない様なところに……いや、殺し合いの舞台で、そんな場所などないのかもしれないが」 一度、シンガポールホテルの周辺に安置し、そのまま行こうと考えていたのだが、タルカスにはそれができなかった。 殺戮者が集まるかもしれないこの周辺で、スミレが傷つくのを見たくなかった。 重荷である事を承知し、スミレの遺体を抱え、人が少ないであろう北端への移動を決めた。 問題があるとすれば、彼が重傷であることだ。常人ならばまともに歩く事が出来ない程の怪我を負っていることだ。 大砲の様な豪腕は片方が使い物にならなくなり、大樹の様な足は部分的に肉や骨が削げて落ちている。 第三者が見たら『再帰不能』と言うかもしれない。立っているのが奇跡ではないか、そう思えるくらいに。 (ケッ、わかんねーおっさんだぜ。そいつを守れなかった事がそんなに悔しいのか? 過ぎたモンを気にしたって何の特にもなりゃしねーのによ。 自分の身体を客観的に見れねーのか?そのガキを抱えるだけでも辛い筈だぜ) 彼(犬)のいう事は正しい。全く持ってその通りなのだ。それでもタルカスは歩みを止めない。 不意に、タルカスが姿勢を崩した。巨大な体の歩行による衝撃を、負傷した足が支えきれなくなったのだ。 (そら見た事か、今までそうならなかったのがおかしいくらいだぜ。どれ、ご機嫌伺いに顔を見に行って……!?) 転倒したタルカスに近づき、顔を覗き込んだイギーは、思わず飛び退いてしまった。理由はシンプルである。 (こいつ、なんて顔してやがる!) タルカスの顔は、戦闘による負傷もあったが、それだけに留まらなかった。 眼は血液と涙が混ざり、なんとも形容し難い色となっていた。唇は裂けんばかりの力で噛み続け、奥から除く歯は絶え間なく軋み続ける。噛み切った唇からこちらも血液と唾液が流れ続け、力を入れすぎた首の筋肉は異様に盛り上がっている。 鬼神か悪魔か、人間とは一線を隠した様な何かが、そこにはあったのだ。 立ち上がる。タルカスが立ち上がる。負傷を意に介する事なく立ち上がる! 「スミレの体は必ず故郷に連れて帰る! 俺に人の心を思い出させてくれたお前を、決して他の者達に穢させはしない!」 混じり気のない、とても悲痛な叫びだった。せめてもの願いだった。 女王を奪われ、少女を奪われ、誇り高き戦友を失った。なにもかもを取り上げられた彼の、正に執念であった。 「俺は決して許さん!無垢なるスミレを命奪った奴をッ!スミレを巻きこんだ主催者をッ! そしてブラフォード!魔道に落ちた貴様を!必ず殺してやるッ 一片も残らず殺し尽くしてやるッ その全てを成し遂げるまで、この足を止める訳にはいかんのだ!」 大切な者を奪った者への殺意。奪い返す為の闘争。ベクトルは異なるものの、『復讐』という一点でのみ、彼は盟友であるブラフォードと並び立った。 (ク、クレイジーな野郎だぜ……動かねえ自分の右腕にパンチを入れて、無理矢理動かしてやがる。それにあのツラだ。ニューヨークにいる野良犬共の方がまだ『人間』らしい顔ができるってもんだぜ) イギーはタルカスから離れる事を考えたが、自分を庇護し、使い捨ての盾となる人間から離れたら楽が出来ないという日和見的思考により、結局はタルカスについていく事にした。先ほどよりも数メートル程距離を放した状態ではあるが。 それから数時間タルカスの顔は歪んだまま動かず、2人、正確には1人と1匹は一言も言葉を発する事はなかった。 ◆◆◆ (双首竜の間……地図を見たときは我が眼を疑ったが、俺のよく知るあの双首竜の間であるならば、一時的にスミレを埋葬しておくにはよいかもしれん) 血腥い場所ではあるがな、と自嘲的に付け足した。 彼等の現在地は、地図で指し示す所のB-2にあたる。 スミレを人気のないところに埋葬するために北上したタルカスは、地図からの情報でA-2にあたるエリアに双首竜の間があることを知る。 どこに行っても争いが起こるなら、血に飢えた参加者が多くこないであろう北端で、自分がよく見知った双首竜の間に埋めた方が気休め程度にはなる。 距離は離れてはいたが、その想いがタルカスの足を進めた 「犬公よ、礼を言うぞ。文句の一つも言わず、よくここまでついてきてくれた。元の場所に帰れるかどうかはまだわからんが、それまでは俺がお前を守ろう」 数時間ぶりにでた言葉は労いの言葉だった。晴れやかとは言い難いし、まだ表情に深い影が残ってはいるが、先ほどに比べれば幾分かはマシなものだった。 頼るものができて安心した。そんな顔を見せたイギーは、無骨な腕に頭を撫でられる。 人懐っこい(様に見せている)その顔に、タルカスはほんの少しだけ安堵する。ふと思い浮かんだ事を口にする程、気持ちが緩まった。 「そういえば犬公、お前の名はなんという?」 言った後に彼は気づく、言葉が通じる訳ではないのだ。名前もない犬公呼ばわりでは良い気持ちはしないだろう、という彼なりの気遣いではあったが、その気持ちは、彼からそんな簡単な事実も忘れさせていた。 (何言ってんだこの野郎は、犬の俺に話が出来る訳ねーだろこのマヌケッ!) それに対するイギーの感想は、砂の様に乾いていた。無論表情は取り繕っている。 (テメーみたいなおっさんの感謝なんかいらねーよ。イイ女連れてこいってんだ。それに名前を教えろだあ?図々しいんだよ!) 言葉を発せないイギーでも、名前を伝える方法はある。その特徴的な鳴き声は相手に人名を連想させる事だろう。しかし、イギーはそれをしない。 (出会ってまだちょっとのおっさんにそう簡単に名前を教えられるか。いいからテメーは黙ってそのでかい体で俺を守ってくれりゃいいんだよ!) 以上は、イギーが頭を撫でられている間の数秒の思考である。 ◆◆◆ そうこうしているうちに、双首竜の間、騎士達の修練場が見渡せる場所が見えてきた。背の高い建物は、来訪者の目に嫌でも焼き付く。 名前を見ただけでは半信半疑だったものの、その外観はタルカスの記憶と寸分も違わない。 タルカスは、まるで昔に戻った様な錯覚を感じていた。 処刑される遥か前、主君と認めた女王が健在で、戦友と共に修練を繰り返した青春の日々を。 『そら見ろブラフォード、やはり小手先の技だけでは限界があるのだ!』 『抜かせタルカス、力押しだけの貴様に我が剣技が見切れるか!』 それは、とても遠い昔の日々。 天涯孤独だった二人の騎士は、ようやく築く事ができた生きる意味の為に、技を磨き続けた。 「ブラフォードよ……もうあの頃には戻れんのだな……」 この数時間。顔に出さない様努めてはいたが、やはり彼は悲しんでいた。変わり果て、悪魔もぶっ飛ぶ復讐鬼と化したブラフォード。 呪縛から解放する為に手をかけなければならないことに、深い悲しみを感じていた。一度違えた道は、もう元には戻らないのだと。 それでも彼は顔を上げた。沈みきった心が晴れないまでも、せめて逃げる事はしないようにと、真っすぐ前を見ることにした。 嘗ての威光や誇りはもうない。守るべき者も失った。それでも、戦う理由だけは残されていた。 「犬公よ、もう暫しだけ付き合ってくれるか?」 黙って後ろについてくるその行動を、肯定のサインだと解釈し、建物へ向かった直後、イギーが吠えだした。お利口で無害な犬の振りを続け、沈黙を保ってきただけに、その声はタルカスに嫌な予感を抱いた。 何事かと思い、振り返ったタルカスの目に、人影が躍り出た。もしもこれが知らない顔であったなら、敵であれ味方であれ、冷静さを保ったうえで対応が出来た事だろう。しかしそうはならなかった。 「僕の姿に疑問を抱いていると思います。しかしまずは話を聞いて欲しい」 そこにあった顔が、参加者全員が見守る目の前で爆裂死した筈のものだからである。 ◆◆◆ 数時間程時間を遡り、視点を変える事にする。 ウェザーに別れを告げたジョルノは、ミスタ達との合流場所であるダービーズカフェへと引き返していた。 指定した時間はとっくに過ぎているが、他に目処が立っている訳でもなく、合流する機会を失いたくなかったがゆえの選択である。 僅かな期待を持ちながらカフェへ戻ったジョルノだが、当然のようにもぬけの殻であり、少し前にカフェを後にした状況と変わりはなかった。 別れてからの時間経過から考えて、何者かに襲われた可能性が高いと判断し、ジョルノの思考はその回転速度を上げる。 あせってパニックになってはいけないが、のんびりしているわけにもいかない。ウェザーと誓った約束。それを守る為に、一つの場所に留まるという事があってはならないのだ。 思案した末、確実性は低いが、メッセージを記す事にした。文面はこう記されている。 『第3回放送 ボートに乗った場所』 『第4回放送 鏡の男』 ミスタとの情報交換による時間のズレを考慮した結果の文面である。 『ボートに乗った場所』とは、ブチャラティがディアボロを裏切り、チームのメンバーにボートに乗るか否かの問いを行った場所、すなわちD-2に位置するサン・ジョルジョ・マジョーレ教会を意味する。 『鏡の男』とは、鏡を使うスタンド使い=イルーゾォとの戦闘があった場所、F-6に位置する悲劇詩人の家を指す。ミスタはこの戦闘に直接参加した訳では無いが、チームの間で情報が共有されている事は言うまでもない。 つまり、第3回放送と第4回放送時に上記の場所に集まる、といい事だ。 このメッセージの意味はこの2つを経験しているチームのメンバー以外に知り得る事はなく、他の人物には意味のわからないメモとなる。 同行しているミキタカを考慮に入れていない内容だが、今もミスタと共に行動していることを祈るしかない。 (後は『これ』を使う。使う事によって、メッセージの伝達をより確実にする) ジョルノは何かの切れ端を掴み、『ゴールド・エクスペリエンス』を発現。右の拳で軽く触る。 切れ端の正体は、情報交換の際、ミスタのブーツの一部分を拝借したものである。(話をした時、かなり嫌がられた) 蠅へと姿を変えた切れ端に、先程書いたメモと同じ内容の紙切れを蠅の体に目立たない様に巻き付ける。切れ端は持ち主であるミスタの元へ向かい、メモを持ったメッセンジャーとして機能する。 (これでカフェにミスタがこなくても、時間差で伝わるようになる。ゴールド・エクスペリエンスの習性から蠅は一直線にミスタに向かい、他者に発見されるリスクもほぼゼロになる) しかし、これでも確実とは言い難い。他の参加者に潰される可能性も、僅かながら存在する。そうなったら、短時間での合流は諦めるしかないだろう。 テーブルへの書き置きと、メッセンジャーの蠅。二重の網を編み終えた。後は行動行動するしかないといわないばかりに、ジョルノは歩き出そうとする。 不意に、二つの影が視界に飛びこんできた。男がとてつもなく巨大な人物でなければ、視界に入ってこなかったかもしれない。それほどまでに極端な巨躯を、一つの影は持っていた。 隣には小さな点が揺らめいていた。人間ではない生き物、犬や猫の類いだろう。このルール無用のデス・ゲームの地において、人間以外の生物がいたとしておかしくない。 しかし、その二つより、もっと彼の目を引いたものがあった。巨大な男は、その腕に小さな何かを抱えていた。それが何か理解した瞬間、ジョルノはえも知れぬ感覚に襲われた。例えるならコップから水が溢れて、どんどん流れ出すような、そんな気持ちだった。 (あそこにいる男は、あの子供を守れなかったことを後悔している。死を悼んでいる……) コップから溢れた水は、二度と戻る事はない。 それがとても悲しくても、残された水はコップの中で這い回るしかないのだ。こぼれ落ちるその日まで。 もうあんな犠牲者を出してはならない。 彼ら/彼女らの魂の尊厳と安らぎは、死でもって償う必要がある。然るべき報いを与える必要がある。 今は亡き誇り高き剣士の姿を思いながら、ジョルノは決意を新たにする。 しかし、その数秒がタイムラグとなってしまった。充分な距離を保っている筈だったが、小さな愚者にはお見通しであった。けたたましい鳴き声がジョルノの耳をつんざく。犬の嗅覚は凄まじい。 気がつけば、巨大な二つの目が、こちらを睨みつけていた。訝しみと驚きが混ざった様な、そんな視線だ。 やられる前にやる。喧嘩だろうが話し合いだろうが、共通した事実だ。自分の目標を達するために、速やかに行うのだ。 ジョルノは己が丸腰であるのを示す様に両手を空に掲げながら言った。 「僕の姿に疑問を抱いていると思います。しかしまずは話を聞いて欲しい」 どうすれば相手が納得するか、どんな方法を用いればいいか、彼の頭脳は、既に無限の回転を始めている。 ◆◆◆ 「そこで止まれィ!」 おっさんがでけー声で叫んだ。トーゼンだろーな。目の前に死んだ筈の奴が「僕は無害です」って感じに出てきたらビビる、俺だってビビってる。そいつを見た瞬間、反射的に吠えちまったぐれーだ。いや、本当だぜ? そこで突っ立ってる3連煙突ヘアーは最初の広い部屋で、メガネのおっさんに首を吹っ飛ばされていた。見たくはなかったが、前の方にいたからな。 じゃあ目の前にいるこいつはなんだ?そっくりさん?双子? さっぱり訳がわからねえ。ま、考えた所でわかる訳じゃねーし、「そういう事」って事で納得するしかねーんだろうな。どのみち俺には関係ないことだぜ。植物の心みたいに平穏に過ごさせてくれるなら、後は好きにしてくれや。 「僕の名前はジョルノ・ジョバァーナです。何故僕がここにいるのか、構えてしまうのは当然です。だが納得してもらわなければならない。ですから、その槍を収めてはくれませんか?」 煙突の名前はジョルノとかいう名前らしい。まだあいつが喋ってる所をちょっと見ただけだが、どうにもスカした野郎で気に入らねえ。承太郎の野郎もこんな態度だったぜ。「俺は全部お見通しです」って感じのよォ~っ。ガムがあったらあの穴に3つくっつけてやりてぇ。 「貴様はあの場で確かに死んでいた筈!それが何故生きている!?まさか貴様も生霊の類いかッ!」 その単語を口にしたとたん、おっさんの口がまたギリギリ締まりがやがった。血が出てるぞ血が、ああ気持ち悪りぃ。さっきからだが、こいつ情緒不安定過ぎるぜ。もうちょっと落ち着いた奴はいねーのか? 「その言い回しからして、あなたは僕より前に死んだ筈の人物に会っている。しかもそれはあなたのよく見知った人物だった。だからこそ動揺している。違いますか?」 「ええい黙れ!死人の戯言など聞くつもりはないわッ!それ以上こちらにくるなら容赦はせんぞ!」 この煙突頭、したり顔で演説始めやがったが、どうも図星らしいな。おいおっさん、瞳孔開いてんぞ。 「だから僕は今からあなたに証明する。僕がれっきとした生きている人間であり、敵意もないということを」 気がつくと煙突は俺たちの目の前できていた。すかさずおっさんは槍を突き出す。さっき言ってたことの有言実行ってやつだな。これ以上きたらブッ刺す!だからこっちへくるな、そんなとこか? こんな大男が武器構えてメンチ切ってんだ。さすがにこいつのしたり顔も……? 「なんの……つもりだ?」 おっさんが本当に驚いた感じで聞く。 俺もさっきはほんのちょびっとだけビックリしたが(みっともなく吠えてた?知らねえな)今度という今度はかなりビビった。この煙突、もうすぐキスができるんじゃねえかってくらい目の前に槍があるのに、歩くのをやめてねえ。 何考えてやがるんだ?脳みそにクソが詰まってるのか? 「ですから、僕が生きていること、あなたに敵意がないことへの証明をしてるんです。なにが問題でも?」 「くるなっ!それ以上くればお前をぶち撒けるぞ!くるなあッ!」 おっさんの声は怯えていた。まあしょうがないかもしれねえ。 「僕の存在を証明する手だてが他にないのであれば、それでも構いません」 あーあ、おっさんの沸点は見た目通り低いってのに、もう死んだな、こいつ。 そら見たことか、槍を握る手が少しずつ強くなってきたぜ。 「ぬわあああああああああああああ」 とうとう煙突の腕を突き刺した。そして次は頭か、アバヨ。調子こきすぎた自分を呪うんだな。そしておっさん。ここまでキレてるとは思わなかったぜ。ま、いざという時は簡単に捨てるから、どうでもいいことだがな。 ◆◆◆ 結論からいうと、タルカスはジョルノの命を奪わなかった。奪えなかったというべきかもしれない。落ち着きを取り戻した彼の心が槍を止めたのか、ジョルノの持つ何かがそれをさせなかったのか。それはわからない 「命が惜しくはないのか?俺が腕に力をちょいと力を入れるだけでお前の脳組織はズタズタになり!肉片となるんだぞ!正気なのかッ!?」 加害者となったはずのタルカスは問う、叫び声をあげる。突き刺した槍は腕をミンチにし、顔面を串刺そうとしているのに、常人ならば恐怖のあまり叫び声をあげてもおかしくない筈なのにッ! 少年は止まらない、瞳に宿した輝きをさらに燃えたぎらせ、逆にタルカスに向かっていったッ! 「このジョルノ・ジョバァーナには夢がある!主催者を倒し、全ての人を救うという約束がある!ここで死んでしまう命なら、その全てを叶えられる筈もない!」 力強い宣言だった。腕から流れる血をもとともせず、大陽のように輝いていた。逆境を跳ね返す熱さが、確かに存在していたのだ。 (これは、この姿はーーーーーー) タルカスは認めた。認めざるを得なかった。目の前の人間から感じられる死とは対極の、生命の振動を。爛々と輝く、冷める事のないエネルギーに。 そしてその姿は、人間の尊厳に満ちている事に。タルカスは一瞬、正に光が輝くような一瞬、失われた君主がいるような、そんな感覚に陥った。 「だから退きません。この槍が僕の夢を阻むのならば、決して下がらない。」 鉄槍は抜け落ちた。同時に、騎士を支配していた暗闇も、ほんの少しだけ晴れた。 結局のところ、この場で命が失われることはなかったのだ。 ◆◆◆ 「すまないッ……本当にすまない!」 時間は経過する。あっという間に流れていく。ジョルノに「敗北」したタルカスは、体裁も気にせず必死に頭を下げ続けた。いわゆる土下座の型である。 「気にしないでください。僕があなたへの接触方法を考えていれば、こんな事にはなりませんでした。そこにいる小さな彼に感謝するべきです。あなたはそれ程までに沈み込んでいた」 目線を向けられたイギーは無害そうに一度鳴き声を上げると、二人にそっぽを向けて不機嫌な顔を作った。彼からすれば、自分が吠えなければ、あのままジョルノをやり過ごす事だってできたかもしれない、と思っていたので、不本意な結果に終わってしまった。 「俺が余計な事をしなければ、ジョルノが怪我をすることもなかったのだ。本当にすまないッ……!」 声を向けられたジョルノの腕には、負傷の後は見られない。勿論、ゴールド・E で治療を行った結果だ。スタンドを初めて認識し、驚く他なかったタルカスだが、ジョルノはタルカスの治療を行い、後にスタンドについて説明をすることを約束した。(イギーはプライドが許さなかったので負傷箇所を懸命に隠した) 謝罪もそこそこに、タルカスは疑問を投げかけた。 「お前の行動に一つ疑問がある。俺が危険人物だという可能性はあった筈だ。負傷に加え、自分でいうのもなんだがこのガタイだ。犬公だって無理矢理従わせていただけかもしれん」 「理由はいたってシンプルです。あなたの目が優しそうだったから。それともうひとつ、僕と遭遇した途端に大事そうに自分の後ろに置いたーー」 ジョルノが、タルカスの背後を見やる。 「彼女がいたからです。あなたは彼女をどこか人気のつかないところに埋葬したかった。誰の目も届かない、静かな場所へ連れて行こうとしたんじゃあないか。そう思ったからです」 「そうか……」 タルカスは消え入る様に呟いた。それ以上の言葉は不要だった。 「ところで、彼女をどこへ埋葬するつもりだったんですか?僕が見た限りあなたの足取りには迷いが見られなかった。つまり行く宛てがあると解釈しましたが」 タルカスは話す。双首竜の間の存在を。ジョルノは同行を申し出る。名も知らぬ少女の弔いのために。イギーは突っ伏す、寝たふりをするために。 ◆◆◆ 「着いたぞ、双首竜の間だ」 再数時間の移動の後、2人と1匹は双首竜の間にたどり着いた。騎士達の修練状は入り組んでおり、双首竜の間はかなり深い場所にあったものの、構造を知り尽くしたタルカスの案内のもと、無事に辿り着いた次第である。 「まさかこんな迷宮のような構造になっていたとは、驚きました。しかし、この鉄の扉はどうやって開けるつもりですか?どうやら内側からしか開かない作りになっているようだし、あなたの怪力でもこじ開ける事は難しい」 自分のスタンドがあれば話は別だが、とジョルノは内心で付け加えた。しかし、人並みのパワーしか出せないゴールド・Eではタルカス以上に時間がかかることも考えられる。壁を生物に変える事も考えたが、タルカスの手前、言わない様にした。 「それに関しては考えてきた。あそこに明かり窓があるだろう。」 タルカスが視線を向けた先には、十字に穴が開いた空間が存在していた。 (ゲ、嫌な予感がするぜ) イギーは思った。この予測は的中する事になる。 「人間が入るには無理があるが、犬や子供なら入れるだろう」 ジーッ、という音が聞こえそうなくらい、タルカスに見つめられたイギーは、なんとか無害な表情を装ってタルカスに近づく。 「すまんが犬公、頼まれてくれんか。お前ならあの明かり窓から中に入り、中にあるレバーを倒して部屋の扉を開けて欲しい」 (なにいってやがるこの野郎ッ、なんでそんな面倒くさい事をこの俺が!) 「お前は利口な犬だ。恐らく俺の言っている意味も大体は理解しているだろう。 頼む、スミレをもう人目にさらしたくはないのだ」 少女の名前が出て、イギーはスミレを見た。ジョルノによって遺体は整えられ、その表情はとても安らかだった。 (このガキ、犬好きだったのか?いや、そんな事はどうでもいいが、チッ、しょうがねえな。あくまでおっさんの信頼を得て盾にしてもらう為の下準備だ。計算された逃走経路だぜ。簡単に信じやがって馬鹿が) あくまでも表情には出さずに、タルカスの両手に捕まった。タルカスは満足そうに微笑むと、イギーを明かり窓にやる。数秒後、レバーの下がる音と共に、扉が開いた。 「借りができたな犬公、心から感謝するぞ」 (勘違いすんじゃねーぞおっさん、俺の為に必死働いて死んでもらう為だからな。本当だかんな!) そうして、一行は双首竜の間に入った。やはり内部もタルカスの記憶に相違なく、無機質な石畳と、鎖の鳴る音しか聞こえなかった。 タルカスは、スミレの遺体を部屋の最奥にそっと横たえた。 「すまんなスミレ。お前は嫌がるだろうが。あくまでもこの殺し合いが終わるまでだ。血腥いだろうが、勘弁してくれ」 タルカスは、スミレの遺体の手を組ませ、立ち去ろうとするが、それをジョルノが呼び止めた。 「このままでは少し殺風景なので、少し手を加えさせてもらっていいでしょうか?驚かせたいので、少し後ろを向いていてください」 二人にそう指示し、ジョルノはスタンドを発現させる。ゴールド・エクスペリエンスは、生命を生み出す。スミレの周囲を、花に変えていく。振り返ったタルカスとイギーは、その光景に驚いた。 「これも、『スタンド』とやらの力なのか?」 驚くタルカスを尻目に、ジョルノは語りだす。 「もうすぐ昼になって、お日様が差し込んでくるようになる。この明かり窓は、日当りがいいだろうな」 遺体を取り囲む花畑に、大陽の光が射した。大陽の光を受けて、花畑は光り輝く。 この輝きがあれば大丈夫だ。殺し合いの最中である事も忘れ、タルカスはそう思った。そして誓う、スミレに誓う。最後まで戦い抜くことを、そしてもう一つ (見ていてくれスミレ……必ずこの殺し合いを打破してみせる。最後まで戦い抜いたお前の意志を、立派に受け継いでみせる!) それに呼応するように、花が一際輝きを放った様に感じた。タルカスには、それが嬉しかった。 これから彼には、数多くの困難が待ち受けているだろう。その過程で多くを失う事になるだろう。それでも彼は負けない。少女との誓いがある限り、生きる意味を取り戻した騎士は、決して魔道には落ちない。そう決心した。 扉の施錠を同じ要領でイギーに任せ、双首竜の間を後にする一行。その未来にささやかなLUCK(幸運)がある事を祈るかの様に、スミレの花が咲き誇っていた。 【A-2 双首竜の間/一日目 昼】 【タルカス】 [時間軸] 刑台で何発も斧を受け絶命する少し前 [状態] 健康、強い決意?(覚悟はできたものの、やや不安定) [装備] ジョースター家の甲冑の鉄槍 [道具] なし [思考・状況] 基本行動方針:スミレの分まで戦い抜き、主催者を倒す。 1:ブラフォードを殺す。(出来る事なら救いたいと考えている 2:主催者を殺す。 3:育朗を探して、スミレのことを伝える 4;ジョルノと情報交換を行う ※スタンドについての詳細な情報を把握していません。(ジョルノにざっくばらんに教えてもらいました) 【イギー】 [時間軸] JC23巻 ダービー戦前 [スタンド] 『ザ・フール』 [状態] 首周りを僅かに噛み千切られた、前足に裂傷 [装備] なし [道具] 基本支給品、ランダム支給品1~2(未確認) [思考・状況] 基本行動方針:ここから脱出する。 1:ちょっとオリコーなただの犬のフリをしておっさん(タルカス)を利用する。 2:花京院に違和感。 3:煙突(ジョルノ)が気に喰わない 【ジョルノ・ジョバァーナ】 [スタンド] 『ゴールド・エクスペリエンス』 [時間軸] JC63巻ラスト、第五部終了直後 [状態] 体力消耗(小) [装備] 閃光弾×3 [道具] 基本支給品一式、エイジャの赤石、不明支給品1~2(確認済み/ブラックモア) 地下地図、トランシーバー二つ [思考・状況] 基本的思考:主催者を打倒し『夢』を叶える。 1.ミスタ、および他の仲間たちとの合流を目指す。 2.放送、及び名簿などからの情報を整理したい。 3.第3回放送時にサン・ジョルジョ・マジョーレ教会、第4回放送時に悲劇詩人の家を指す 4.タルカスと情報交換を行う [参考] ※時間軸の違いに気付きましたが、まだ誰にも話していません。 ※ミキタカの知り合いについて名前、容姿、スタンド能力を聞きました。 ※ウェザー・リポート、エンリコ・プッチ、ホット・パンツの支給品、デイパックを回収し、必要なものだけを持って行きました。 必要のないものは全て放置しました。回収したものはエイジャの赤石、不明支給品、トランシーバー二つ、閃光弾二つ、地下地図です。 【備考】 ※スミレの遺体は双首竜の間に安置されました。周囲にゴールド・Eで生み出したスミレの花があります。 ※ダービーズカフェにジョルノの書き置きが残してあります。内容は 『第3回放送 ボートに乗った場所』 『第4回放送 鏡の男』 と書かれています。 ※同様の内容が書かれているメモを括り着けた蠅がミスタの方へ飛んで行きました。蠅が参加者に見えるかどうかは他の書き手さんにお任せします。 ※タルカス達の移動経路はC-4→B-3→B-2 の順番でした。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 123 Faithful Dogs タルカス 157 デュラララ!! -裏切りの夕焼け- 123 Faithful Dogs イギー 157 デュラララ!! -裏切りの夕焼け- 139 太陽の子、雨粒の家族 (前編) ジョルノ・ジョバァーナ 157 デュラララ!! -裏切りの夕焼け-
https://w.atwiki.jp/tokagesdc/pages/83.html
【種別】 作者 【解説】 プロフィール PN 入間 人間(いるま ひとま) 性別 男 誕生 1986年 出身 岐阜 野望 世界一の作家になること 目標 累計売上20億部突破 趣味 ゲーム・マンガ・サイン集め 略歴 『幸せの背景は不幸』が第13回電撃小説大賞最終選考まで残るも落選する。 しかし、その後同作を大幅に改稿、改題した『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』を2007年6月に刊行し、小説家デビューを果たす。 デビュー5周年となる2012年、入間人間創作5周年記念企画『入間人間のセカイ』始動。 人物 普段から常に浴衣で過ごす和風人 岐阜在住(実家のご両親と同居している)2,3年後に鎌倉県あたりに引っ越すかもしれないらしい 超雨男雨が降るとハイテンションになる 前川さんの男バージョンらしい(本人談)これは主に身長についてだと思われる推定身長180cm前後 酒が飲めない炭酸が飲めないコーヒー嫌い生もの苦手辛いものダメ 自覚ある空気の読めない子 週刊少年ジャンプを毎週購読している 群像劇大好き。過去、17、18回ほど一般文芸、ライトノベル系新人賞含め全て一次選考で落選したが、応募作品の内、9作品ぐらいは群像劇だったほど。しかも、その応募原稿は全部削除してしまった。リサイクル精神皆無。 文章を書いていると、手触りを感じる良い文章を書いているなぁ、と思うときは青色に筋のように白い線の入った布のようなものに触れているイメージが湧き、 逆にぶつ切りで、ちぐはぐな文章を書いているときは指のささくれに触れているような手触りを覚える。 その手触りは指先ではなく、目の奥で感じる ・各作品を書いていて感じたイメージ みーまー→茶色い木の棒のようなものを手のひらで握るイメージ。 電波女と青春男→座っているソファの肘掛け部分を撫でるイメージ。あと、足の裏が少しチクチクしている絨毯を踏んでいるイメージ。 多摩湖さんと黄鶏くん→なんかよく分からん黒い小さな四角形の集合体に指先で触れるイメージ。焼き魚の焦げっぽい色。 花咲太郎→ワイシャツの脇に触るイメージ。つるつる。 僕の小規模な奇跡→ビニール傘の表面を撫でるイメージ。 六百六十円の事情→自転車のグリップっぽいものを強く握るイメージ。 バカが全裸でやってくる→カバーにあったような、緑の石像的なものを撫でるイメージ。 ぼっちーズ→内緒。これだけ全然別のものが浮かんだ。 作風 作品間をリンクさせるのが好きでほぼ全ての作品がリンクしている(詳しくはクロスオーバーを参照)これについては上遠野浩平や伊坂幸太郎の影響だと語っている。 武勇伝 超速筆なことで有名『入間人間の歩み』を見れば一目瞭然 1ヶ月あればとりあえず長編が一本書ける 過去最速記録は『電波女と青春男』の10日(くらい) 締切に遅れたことがない それどころか、毎回締切を早める(締切の1週間から10日前には無理矢理上げてしまう 余りの速筆に担当編集二人では追いつけなくなり、異例の三人体制を取ることとなった 現在、デビューからの付き合いである三木一馬&小山直子、新たに加わった西谷昌子と共に世界の頂点を目指し切磋琢磨している 担当編集にボツを出されたことはないが、「自主ボツ」と称し自らボツを出すことがよくある『傷跡コミュニティ』は自主ボツによって幻となった作品 物語は書きながら考えているため、プロットを作ることはほとんどない担当にお願いされて三行ぐらいのプロットを作ることはある普段提出しているプロット 編集部のホワイトボードに『累計20億部突破』(※正確な内容は分からないが、概ねこんな内容)と署名付きの訓示を書いたこの訓示は電撃作家全員が見ている 一問一答 入間人間(”まるごと1冊”入間人間収録)において、『いずれこの雑誌(電撃文庫MAGAZINE)の表紙を飾ってみせます』と宣言Vol.18にて、有言実行を果たす さらに、続くVol.19の表紙も飾り、2号連続という快挙をも達成 出演 実写映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』にカメオ出演している 参考文献 各著作あとがき 電撃文庫MAGAZINE あとがきがわりに……「○○」で一言 電撃徒然草『気の早い話だといいなぁ』 エクス・ポ 4号 メールインタビュー 電撃文庫webラジオ 喜多村市立竹本学園 第12回放送 入間人間先生は、どんな入間、いや人間なのか? 入間人間インタビュー ―才能はミスマッチから開花する(5M vol.02) エッセイ「わたしと一億」 イメージアルバム『幻想の在処は現実』 制作インタビュー(電撃文庫MAGAZINE Vol.10(2009年 11月号)) 電撃作家スペシャルインタビュー 時雨沢恵一×入間人間 一問一答 入間人間(”まるごと1冊”入間人間) うぇぶらじ@電撃文庫 第12回 入間人間先生も登場! 『うぇぶらじ@電撃文庫』出演陣にインタビュー!! 映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』公開直前特集 歪んだ恋愛を紡ぎ出す入間人間という人間(ダ・ヴィンチ 2011年2月号) 本の探検隊(Newtype 2011年2月号) ようこそライトノベルの社へ(KERA 2011年3月号) ラノベ作家の入間人間さんにインタビュー、「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」映画化に思うこととは? ドキドキするもの、みつけたとき。「なんで俺が7番なんだよ」 応援コメント&イラスト・メッセージパッド【電撃チャリティプロジェクト ~とどけ!笑顔。~ 】 電波女と青春男 BD DVD Vol.7特典:12Pブックレット『入間人間インタビュー』 映画「からっぽ」オススメコメント かつくらvol.3 2012夏インタビュー エッセイ「私の電撃体験」第17回 ※このページは「入間人間WIKIイルティマニア」の「入間人間」を引用し作成したものです。
https://w.atwiki.jp/anime_wiki/pages/720.html
ここを編集 ■ギャラクシーエンジェル 制作進行 ■金色のコルダ~primo passo~ 絵コンテ 4 10 15 21 ■僕等がいた 絵コンテ 20 ■GR -GIANT ROBO- 演出 10 ■君が主で執事が俺で 絵コンテ 3 ■地球へ… TOWARD THE TERRA テラへ… 絵コンテ 7 ■モノノ怪 演出 1(中) 5 10 ■この青空に約束を― ~ようこそつぐみ寮へ~ 絵コンテ 3 ■ヤッターマン 2008 エンディングアニメーション1(絵コンテ・演出) 絵コンテ 29 48 演出 25 29 48 ■墓場鬼太郎 演出 1(地) 5(地) 10 ■キャシャーン Sins 演出 11 ■ef - a tale of melodies. 絵コンテ 4(園) 6(板) ■蒼天航路 絵コンテ 24 演出 25 ■ハヤテのごとく!! 2nd season コンテ 13 20 ■空中ブランコ 演出 1 10 ■ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 絵コンテ 5 12 演出 12 ■娘クリ Nyan×2 Music Clip ライオン 演出 ■TIGER & BUNNY タイガー&バニー 絵コンテ 2 10 演出 2 ■C シー 絵コンテ 8(鈴・木) 11(松・地・柳・中) ■緋弾のアリア 演出 9 ■BLOOD-C 演出 4 ■未来日記 演出 14 18 23 ■キルミーベイベー 絵コンテ 8 演出 4 6 8 9 11 ■アクエリオンEVOL 演出 16 24 ■つり球 絵コンテ 2 9 演出 9(高) ■モーレツ宇宙海賊 パイレーツ 演出 19 24 ■咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 演出 6 ■聖闘士星矢Ω 演出 19 31 ■ROBOTICS;NOTES 演出 4 6 ■とある科学の超電磁砲S 演出 7 ■フリージング ヴァイブレーション 助監督 エンディングアニメーション(絵コンテ・演出) 絵コンテ 3 5 8 演出 1 2 3 4 5 8 12 ■風雲維新ダイ☆ショーグン 助監督 エンディングアニメーション(絵コンテ・演出) 絵コンテ 3 4(中・高) 6(渡) 11 演出 3 9 10 11 ■テンカイナイト 絵コンテ 8 演出 8 10 ■ヤマノススメ セカンドシーズン 演出 4 5 ■ワンピース 絵コンテ 670(横) ■長門有希ちゃんの消失 絵コンテ 6 9 演出 3 6 9 ■フューチャーカード バディファイト100 演出 25 35 45 ■ドラゴンボール超 シリーズディレクター(68~76話) 演出 8 19 26 38 47 56 80 90(間) 絵コンテ 64 68 69 76 101(山) ■フューチャーカード バディファイトDDD 演出 9 ■ももくり 絵コンテ 6 演出 9 10 19 20 ■南鎌倉高校女子自転車部 絵コンテ 3 ■つぐもも 演出 11 ■DIVE!! 絵コンテ 6 演出 OP 6(倉) ■Just Because! 絵コンテ 2(西・小・沖・長) 演出 2(古・室) ■りゅうおうのおしごと! 演出 10 ■アニメ大森杏子 絵コンテ・演出 ■殺戮の天使 コンテ 7 13(田) 14(名) 16(吉) 演出 6 10(田) 15(村) ■抱かれたい男1位に脅されています。 演出 2(殿) ■RErideD-刻越えのデリダ- 演出 5(井) ■やがて君になる 演出 5 ■キャプテン翼 絵コンテ 37 演出 37 ■からくりサーカス 演出 11 26 ■とある魔術の禁書目録Ⅲ コンテ 13(大) ■デート・ア・ライブIII 演出 3(原・則) ■まちカドまぞく オープニングアニメーション(絵コンテ・演出) 絵コンテ・演出 4 ■Z/X Code reunion 演出 OP ■pet 演出 7(中) ■まえせつ! 演出 2 ■MARS RED 監督 絵コンテ・演出 13 絵コンテ 2(山) 3 8 演出 1 2(三・貞) 3(貞) ■現実主義勇者の王国再建記 絵コンテ 3 ■BLUE REFLECTION RAY/澪 絵コンテ 15(石) 21(石) 演出 15 ■現実主義勇者の王国再建記 (第二部) 演出 17(海) ■まちカドまぞく 2丁目 オープニングアニメーション(絵コンテ・演出) 絵コンテ 3 演出 9 ■恋は世界征服のあとで 絵コンテ 8(ソ) 12(板) 演出 3 ■デジモンゴーストゲーム 演出 29 39 48 54 62 ■逃走中 グレートミッション 演出 3(中) 11 ■関連タイトル MARS RED Blu-ray BOXI キルミーベイベー Blu-ray BOX 殺し屋ラジオ・スペシャルCD付き 未来日記 Blu-ray BOX サウンドトラック付き rakuten_design= slide ;rakuten_affiliateId= 053df7e0.7c451bd1.0c852203.190c5695 ;rakuten_items= ctsmatch ;rakuten_genreId=0;rakuten_size= 468x160 ;rakuten_target= _blank ;rakuten_theme= gray ;rakuten_border= on ;rakuten_auto_mode= on ;rakuten_genre_title= off ;rakuten_recommend= on ; 随時更新! pixivFANBOX アニメ@wiki ご支援お待ちしています! ムック本&画集新刊/個人画集新刊/新作Blu-ray単巻/新作Blu-ray DVD-BOX アニメ原画集全リスト スタッフインタビューwebリンク集 最新登録アイテム Switch ゼルダの伝説 Tears of the Kingdom Switch 世界樹の迷宮Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ HD REMASTER Switch ピクミン 4 大友克洋 Animation AKIRA Layouts Key Frames 2 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女 1 ONE PIECE FILM REDデラックス・リミテッド・エディション 4K ULTRA HD Blu-ray Blu-ray 劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ 完全生産限定版 Blu-ray 映画『ゆるキャン△』 Blu-ray 【コレクターズ版】 Blu-ray ウマ娘 プリティーダービー 4th EVENT SPECIAL DREAMERS!! Blu-ray 天地無用!GXP パラダイス始動編 Blu-ray第1巻 特装版 天地無用!魎皇鬼 第伍期 Blu-ray SET 「GS美神」全話いっき見ブルーレイ Blu-ray ソードアート・オンライン -フルダイブ- メーカー特典:「イベントビジュアル使用A3クリアポスター」付 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 5th Live! 虹が咲く場所 Blu-ray Memorial BOX 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち Blu-ray BOX 特装限定版 地球へ… Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 神風怪盗ジャンヌ Complete Blu-ray BOX HUNTER×HUNTER ハンター試験編・ゾルディック家編Blu-ray BOX BLEACH Blu-ray Disc BOX 破面篇セレクション1+過去篇 完全生産限定版 MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 アニメ・ゲームのロゴデザイン シン・仮面ライダー 音楽集 テレビマガジン特別編集 仮面ライダー 完全版 EPISODE No.1~No.98 MOVIE リスアニ!Vol.50.5 ぼっち・ざ・ろっく!号デラックスエディション ヤマノススメ Next Summit アニメガイド おもいでビヨリ アニメ「魔入りました!入間くん」オフィシャルファンブック 『超時空要塞マクロス』パッケージアート集 CLAMP PREMIUM COLLECTION X 1 トーマの心臓 プレミアムエディション パズル ドラゴンズ 10th Anniversary Art Works はんざわかおり こみっくがーるず画集 ~あばばーさりー!~ あすぱら画集 すいみゃ Art Works trim polka-トリムポルカ- つぐもも裏 超!限界突破イラスト&激!すじ供養漫画集 開田裕治ウルトラマンシリーズ画集 井澤詩織1st写真集 mascotte 鬼頭明里写真集 my pace 内田真礼 1st photobook 「まあやドキ」 進藤あまね1st写真集 翠~Midori~ 声優 宮村優子 対談集 アスカライソジ 三石琴乃 ことのは 亀田祥倫アートワークス 100% 庵野秀明責任編集 仮面ライダー 資料写真集 1971-1973 金子雄司アニメーション背景美術画集 タローマン・クロニクル ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津~Aqoursのいる風景~ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会[復刻版] 梅津泰臣 KISS AND CRY 資料集 安彦良和 マイ・バック・ページズ 『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』編 氷川竜介 日本アニメの革新 歴史の転換点となった変化の構造分析 Blu-ray THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th Anniversary Celebration Animation ETERNITY MEMORIES Blu-ray おいら宇宙の探鉱夫 ブルーレイ版 Blu-ray 映画 バクテン!! 完全生産限定版 アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY~ Blu-ray BOX 初回生産限定版 はたらく細胞 Blu-ray Disc BOX 完全生産限定版 Blu-ray 長靴をはいた猫 3作品収録 Blu-ray わんぱく王子の大蛇退治 Blu-ray 魔道祖師 完結編 完全生産限定版 魔道祖師Q Blu-ray Disc BOX 完全生産限定盤 にじよん あにめーしょん Blu-ray BOX 【特装限定版】 Blu-ray 鋼の錬金術師 完結編 プレミアム・エディション Blu-ray付き やはりゲームでも俺の青春ラブコメはまちがっている。完 限定版【同梱物】オリジナルアニメ Blu-ray「だから、思春期は終わらずに、青春は続いていく。」
https://w.atwiki.jp/cro-chro/pages/1234.html
(1316年 アーデリア王国) ここは、ロイトルーナ。 アーデリア王国の北端、カルメス山地の麓にある湖の都市である。 ここに訪れたのは冒険者『財布の紐』の4人。 なぜ、こんな名前なのか? 「チームの名前って大事だろ?じゃあ、大事なものをチームの名前にすれば良いんじゃね?」 と、一番財布の紐が緩いダラスが提案した。 ダラス=クリフト 弓の腕前は確かだが、何も考えていない。 その場の勢いでの行動が多く、頭が悪い。だが、決して悪人ではなく、行動は善意から来ている。 後先考えない行動のせいでソルトベリーの商業ギルドから多大な借金をしている。 ルーシィ=ミハレット 旅の踊り子だったが、ソルトベリーの酒場『アンゲラ・タッセ』で、ウエイトレス兼踊り子として落ち着いていた。 酔っ払いに絡まれているところをダラスに助けられそうになるが、酔っ払い共々ボコボコにしてしまった。 護身用に剣術を学んでおり、舞うように戦う。 シャルロッテルシア=ヘルエンマリエ=クラウゼルヴィッツ ソルトベリーの名門貴族クラウゼルヴィッツ家の令嬢。 剣術と神聖術を操るが、如何せん器用貧乏。世間知らずで常識が通じない。天然でドジ。 名前が長ったらしいので、みんなから「ロッテ」と呼ばれている。 ハンク=マーベリック ソルトベリーの商業ギルドに所属する旅商人。 ダラスの借金取立人だったが、「取り立てるより、一緒に稼いだ方が儲かる」とのダラスの言葉に乗せられたギルド長ヴェロニカの命令で、無理やりチームを組まされた。 ヴェロニカには世話になっており、頭が上がらない。 チームの中では最年少ながら、一番の常識人。 ルーシィ「はーい、注文お待ち!! ダラス「サンキュ、いつも美味いぜ、ここの料理。 ルーシィ「アタシが作ってるんじゃないけどね。 ダラス「知ってる。だから言ったんだ。 ルーシィ「何ですって!?あんたケンカ売ってんの!? ハンク「また始まった・・・ ロッテ「このパイ美味しい~ アーデリア王国の王都ソルトベリーの繁華街にあるビアホール『アンゲラ・タッセ』。 彼らはいつものように飲み食いしていた。 そこに、ソルトベリー商業ギルドの長ヴェロニカがやって来た。 ヴェロニカ=ドーン ヴェロニカ「あら~、随分と景気いいわね~ダラス。 ハンク「ヴェロニカさん。 ダラス「おう、ギルド長、あんたも食うかい? ヴェロニカ「まったく、いい度胸ね。あんた、一体いくらの借金があるか分かってるの? ダラス「それは、ハンクの仕事っしょ? ハンク「こいつ・・・ ロッテ「だから~、お金ならぁ、私が出してあげますよ~ ダラス「おっと、それじゃあ意味がないんだな、ロッテ。それじゃあ、ギルドから借金してるオレがロッテから借金する事になるだけで何も変わらないんだなーコレが。 ヴェロニカ「私は、それでも大歓迎だけど。あ、ルーシィ、私にもビール1杯ね。 ルーシィ「まいど~ ハンク「で、ヴェロニカさんが出向くなんて何かあったんですか? ヴェロニカ「そうそう。北部のロイトルーナって街知ってる? ロッテ「? ダラス「知らね。 ハンク「一般知識だろーが。 ヴェロニカ「その街の近くにロイト湖って湖があるんだけど、最近その湖畔に遺跡が発見されたの。商業ギルドがいち早く管理権を獲得したんだけど、先遣隊を探してるのよね~。 ロッテ「あ~、分かりました~ ハンク「まったく・・・ ロッテ「遺跡発見の自慢話ですね~ ヴェロニカ・ダラス・ハンク「・・・・・・・ ルーシィ「は~い、ビールお待ち~。あれ?みんなどーしたの? ダラス「ルーシィ、ギルド長から直々の依頼だ。遺跡の“イケニエ”になれってさ。 ヴェロニカ「そこまで言ってないわよ~ ハンク「先遣隊って、遺跡の全体を把握してくるんですか? ヴェロニカ「遺跡発見時に見つかった文書によると、あそこは浄水施設みたいだったらしいの。今じゃ、森に囲まれてるけど、昔は荒地だったみたいでね。 ハンク「あの辺が?信じられないっすね・・・ ヴェロニカ「で、ギルドの依頼としては、遺跡の奥に水を浄化する宝珠があるらしいから、それを持ち帰って来て欲しいの。急ぎじゃないけど、あんまり遅くならないでね~ そして、ロイトルーナ。 ルーシィ「うわ~、キレイな湖~ ロッテ「ほえ~、緑に包まれて水も透き通ってますね~ ハンク「さすが、カルメス山麓、ユニコーンの森が近いだけあるな。 ダラス「ユニコーンね・・・女好きの男の敵だな。 ルーシィ「アンタ、なんて穿ったモノの見方してんのよ。 ハンク「ユニコーンか・・・角がかなりの値で売れるな・・・ ルーシィ「アンタも商魂逞しくしてんじゃないわよ!! ハンク「そうだった、まずは商業ギルドのタルカスって人を探すんだった。 ロッテ「タルカスさんはぁ、ドコに居るんですか~? ダラス「それを聞いて来んの忘れちゃったんだよね~・・・ ルーシィ「あんた馬鹿!? ダラス「つい、勢いで出てきちゃって・・・ ルーシィ「あーもう!じゃあ、この街を探すしかないって訳ね。 ダラスたちは、タルカスを探してロイトルーナの街を回った。 表通り、商業区、住宅街、船着場、教会通り、裏路地・・・ しかし、運が悪いのかタルカスは見つからなかった。 ダラスたちは、商業ギルドが取ってくれた宿に戻った。 ルーシィ「結局、一日中探し回って見つからないってどーいうことよ。 ロッテ「小さすぎて見落としちゃったんでしょ~かね~ ダラス「いや、違うな。大きすぎて我々が彼の手のひらの上で踊っているに過ぎないのだ!! ルーシィ「あんた馬鹿!? ハンク「ん・・・? ダラス「どーした、ハンク? ハンク「僕たちは、商業ギルドから派遣されて、ここに宿を取ってもらっている・・・ ルーシィ「そうね。 ハンク「タルカスさんも商業ギルドから派遣されて来てるってコトは・・・? ロッテ「同じ部屋ですか~? ハンク「合ってるけど馬鹿!! そう言ってハンクは、宿のフロントに走っていった。 ハンク「すいません!!この宿にタルカスって人、泊まってません?僕たちと同じで、ソルトベリー商業ギルドの関係とかで・・・ 受付「はい、タルカス様・・・タルカス=モールス様が商業ギルド名義でご宿泊です。 ダラス「おお!! ハンク「部屋は、どこですか!? 受付「ええと・・・206号室です。 ハンク「おいぃぃぃ!! ルーシィ「かくにーん。私たちの部屋は? ダラス「まさか・・・ 受付「205号室でございます。 ルーシィ「アタシら馬鹿ー!? かくして一行は、隣の部屋のタルカスを訪ねた。 タルカス「なんじゃ?その声は隣で騒いどった声じゃな。 ダラス「あんたが、タルカスさん? タルカス「ああ、そうじゃが。 ハンク「僕たち、ソルトベリーの商業ギルドから派遣されて来たんですが・・・ タルカス「おお、そうか。ワシもソルトベリー商業ギルドの依頼で調査の陣頭指揮を執ることとなったのじゃ。お前さんらが先遣隊で良いんじゃな? ルーシィ「遺跡のお宝を持ち帰ってくるんでしょ? ロッテ「キレイなお水の宝珠ですよね~ タルカス「うむ、“浄水晶”じゃ。是非とも持ち帰ってきてほしい。
https://w.atwiki.jp/type-saturn/pages/5.html
TYPE-MOONに所属しているシナリオライター兼小説家 中学時代からの同級生武内崇らと共に同人サークルTYPE-MOONを立ち上げ、2000年発表の同人ゲーム『月姫』シリーズで人気を博す。現在は同サークルを法人化したゲーム制作会社「有限会社ノーツ」(TYPE-MOONはそのブランドに)に所属し、2004年発表のアダルトゲーム『Fate/stay night』などでシナリオを手がける。また、講談社刊『DDD』シリーズ(講談社BOX)などで小説家としても活動中。 1973年11月28日生まれ 座右の銘は「人類皆強大」 自画像は「化けきのこ」 CV 田村ゆかり(レアルタ付属PSPゲーム『とびだせ! トラぶる花札道中記』) 好きなものは密室・少年・包帯・ナイフ。なので某汎用人形決戦兵器のOPには狂喜乱舞したらしい。 嫌いなものは茄子(共食いだから) 通称:菌糸類 武内崇とは中学時代からの友人関係 その名前から女性に間違えられるがOKSGが「実はプロフィールの雄を雌と読み間違えていただけなんですが!」と話している事から男性らしい。 また、『日経新聞』夕刊で「奈須氏はパソコンゲームの女性ライターとして、知る人ぞ知る存在」と紹介された。この記事の女性報道については、自身のHPで本人が否定している。 公式写真として後姿ではあるが、講談社の文芸誌『メフィスト』における推理小説家綾辻行人との対談時のものがあり、また数々のインタビュー記事での発言などから、男性であることはほぼ間違いない。 しかし、その直後にOKSGが「もちろん女性です。本名奈須きの子」と発言していたりする。 「『月姫』以前に某会社のゲームを手伝った」という発言から、VOICEから発売された『LOVELESS 〜終わらない物語〜』(アダルトゲーム)のシナリオライター那須邦宏が本人ではないかとも言われており、実際『LOVELESS』のFlashのクレジットにはシナリオ「Nasu Kinoko」と表示されているが、この件に関しての真偽は現在のところ不明である。 なお、本人の口から「影響を受けた作家」として、菊地秀行、綾辻行人、島田荘司、竹本健治、上遠野浩平、京極夏彦らの名前が挙げられている(内、綾辻行人と菊地秀行の二人は講談社文庫の『空の境界』の解説者)。小説を書き始めた当初は伝奇やファンタジー一本槍の作風であったが、綾辻行人の『十角館の殺人』や竹本健治の作品と出会い大きな衝撃を受け、以降伝奇と新本格ミステリの融合を目標に執筆活動を続けている。 また、アダルトゲームである『ONE 〜輝く季節へ〜』が自作への影響力があったという見解を表している(「コンプティーク」より)。 自身が公言するように熱心なSF・ミステリファンであり、自身の分野である伝奇小説に新本格ミステリの手法を取り入れ、講談社の文芸誌「ファウスト」では「新伝綺」と銘打たれた。 結果、新伝綺と呼ばれる新たな現代文学ジャンルとして認められ、密かに作者が増えつつあるジャンルである また、80年代後半〜90年代初頭のヴィジュアル系アーティストに造詣が深い。特にBUCK-TICKとSOFT BALLETからは多大な影響を受けており、曲のタイトルや歌詞からの引用が各所に見られる他、キャラクターのイメージソングとしてそれらのアーティストの曲を挙げている。また、Fateの登場人物である言峰綺礼の風貌及び声のイメージは、元SOFT BALLETの遠藤遼一がモデルとなっている。 きのこ氏の作品は、独自の世界観、個性的な人物が特徴で、語感を重視した造語をよく用いる。また、既存の単語に独特の読みを当てることも。 例 「檻髪(おりがみ)」や「復讐騎」や「吸血姫」など しかし、それを苦手としている人も少なくない。アンチからは中二病とよく言われる。 誤字が多い事でも有名。誤字が発生する原因は、既に脳内に書き上がっている原稿を打ち出す作業なので、誤字があっても正しい文章に脳内補正されてしまって気が付かないかららしい。だが、それをネタにすることもしばしば。 月姫の製作に辺りそれまでエロゲーをプレイしたことが殆ど無かったため、いくつかプレイして勉強した逸話がある。 スタッフ内でよく嘘を吐くため、「うそつき星人」を自称している。 最も有名な事件は、「月姫のシエルのカレー好きはカリー・ド・マルシェという死徒との因縁なのだ」と冗談で言ったら後日イラスト担当の武内祟がそれを本気にして漫画を執筆。 武内「カリーってこれでいいかな?」 きのこ「は?そんな死徒いねえよ」 二人の長年の友情が本気で崩れかけたとか。 その後初期メンバー3人がインタビューを受けていた時に、きのこ氏が「カリーの存在は本当だよ」と発言。 このことでOKSGがきのこ氏を信用できなくなったとか。 主な著作 === 小説 === 『空の境界』 『Notes.』 『Talk.』 『Prelude』 『tale』 『DDD』 『宙の外』 未公開作品 『原作版Fate』 『魔法使いの夜』→ゲーム化決定 『氷の花』 『スクリーマー』 『月の珊瑚』→朗読CD化 === ゲームシナリオ === 『月姫』 『MELTY BLOOD』シリーズ←商業化以降も 商業作品 『Fate/stay night』 『Fate/hollow ataraxia』 『Fate/EXTRA』 (最初はシナリオ監修だったはずが、結局シナリオ丸々担当したらしい。) 『フェイト/タイガーころしあむ』シリーズ 『Fate/unlimited codes』 『428〜封鎖された渋谷で〜』 === ドラマCD脚本 === 『空の境界』 『アーネンエルベの一日』 ===アニメ=== 『CANAAN』